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(2001年8月21日付)
「日本は戦争犯罪にどうしてここまで鈍感でいられるのか? 歴史問題を無視しても韓国と仲良くやっていけるなんて発想がどこから出てくるのか? まったく理解できない。あなたはこんな日本をなぜ楽観視するのか、説明して欲しい」
今年7月、米国ワシントンDCの議会議事堂内。トーマス・フォーリー前駐日大使が米国議会スタッフたちと日米関係について会議を開いた。議会スタッフらの議論は日本の歴史問題に集中、フォーリー前大使に不満と怒りを一気にぶつけていた。
フォーリー前大使は、ナチスドイツと日本との違いを説明。「米国では戦争捕虜への強制労働が戦争犯罪として議論されるが、日本では『アメリカの原爆投下ほど許し難い戦争犯罪はない』との考えが根強い。日本人の心理を理解することも重要だ」と。
議会スタッフはフォーリー大使の説明に理解を示しつつも、決して同意は示さなかった。
意外に思われるかもしれないが、日本の歴史問題はここ米国でもかなり大きく取り扱われている。主要新聞では、この数カ月間ずっと日本の歴史問題に対する姿勢を非難する論説、コラム、記事が掲載されている。テレビネットワークでも同様に、日本の戦争犯罪や歴史問題の特集番組が何本も放送されている。
8月15日夜、ABC放送(3大ネットワークの一つ)の看板ニュース番組「ナイトライン」でも報じられた。その特集テーマは「小泉首相の靖国神社公式参拝問題」。靖国神社の歴史的経緯や成り立ちまでが詳細に説明された上で、公式参拝の是非を巡る国際討論が放映された。
米国メディアが、他国の国内問題をここまで詳細に報道するのもかなり異例だ。靖国問題はもはや国内問題ではなく、立派な国際問題である。
また現在、アメリカの安全保障政策立案者たちほど、日本の歴史問題に深い憂慮の念を抱いている人々もいまい。一部からは、「韓国とここまで関係が悪化するようでは、日本は同盟国としてあまり価値がない」との声さえ聞こえてくる。安保関係者までもが歴史問題を真剣に議論しはじめている。
「歴史問題は時の流れがいつか解決してくれる」「靖国神社公式参拝を数年続ければやがて問題ではなくなる」「南北首脳会談でも開催されれば、韓国人の反日感情などすぐに吹き飛ぶだろう」……。日本の雑誌を読むと、様々な楽観的憶測が流れているが、どうも米国からはそんな気配は一向に見えない。
それどころか、グローバル化の進展とともに歴史問題はより深刻さを増しつつある。ドイツのホロコースト問題の場合、メディアで報道されればされるほど米国内の関心は高まり続けた。
1990年代後半には、ナチスドイツの戦争犯罪に加担したとして、ドイツ系企業等に対するユダヤ系米国人の集団訴訟が相次いだ。「これらの集団訴訟は、独系企業が米国系企業を合併しようという、まさにそのタイミングに合わせて起こされた」−−仲介役の米国務省法律顧問の証言である。今やどこの国の企業にとっても米国市場は重要だ。しかし、日本企業の対応はいまだによく見えない。
「日本大使館に何回、依頼してもいつも断られるんだよね……」。前述ABC放送ニュース番組のプロデューサーの嘆きだ。ロビイストに依存するだけでインタビューを避け続ける日本政府。日本の声はどこからも聞こえない。日本はいつまで逃げ切るつもりなのだろうか。
(米国・外交問題評議会研究員)