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(2004年10月5日付)
21世紀の世界秩序をどう構築するか |
第59回国連総会が先月21日、ニューヨークの国連本部において始まった。第2次世界大戦の終結とともに、戦後の世界秩序を担う国際機構として誕生した国連は、明年2005年、創設60周年の節目を迎える。この間、まさに「国際政治を映し出す鏡」であり続けた。
東西冷戦は、国連の安全保障機能を完全に機能不全に陥れる一方、1960年代を中心とするアジア・アフリカ植民地諸国の独立は、南北問題の発生とそれら新興諸国の国連への大量加盟による総会の地位向上をもたらした。
そして、冷戦終結による国連(安全保障理事会)の活性化の時期を経て、「9・11」テロからイラク戦争へと至る米国一国主義の風潮は、国連の存在意義そのものを根底から揺るがしている。
このようななか、国連改革の機運が高まりをみせている。昨年11月、国連のアナン事務総長は、国連改革に関する「ハイレベル諮問委員会」を設置、委員会は、年内に提言をまとめる方向で議論を重ねている。
国連改革論議はこれまでにも数多くなされ、様々な改革案が示されてきた。しかし、今この時期に国連改革が急務とされるのは、もはや国連が半世紀にわたる国際環境の変化に対応できなくなっていることによる。
諮問委員会の主要なテーマが「新しい脅威への取り組み」であることは、そのことを象徴している。国家間組織として創設され、また、国家間紛争への対応を想定した国連を今日の地球社会の変化を反映した組織としてどう強化するか、ここに国連改革の課題がある。
課題の第1は、加盟国間の平等の実現である。その中心はやはり安保理改革であろう。特権を有する常任理事国が第2次大戦の戦勝国の、しかもほとんどが欧米先進国で占められている安保理の現状は、191カ国を擁するまでとなった現在の国連の実態を正しく反映していない。再来年、加盟50周年を迎えるわが国も常任理事国入りに向けて本格的に動き始めたが、改革は国連の正統性と実効性を高めることにつながるであろう。
第2に、NGO(非政府組織)など「市民社会組織」の参画である。憲章は、NGOと経済社会理事会との協議資格について規定しているが、総会へのNGO代表のオブザーバー資格等は認められていない。2000年の「国連ミレニアム宣言」がNGOや民間企業との連携を明記したが、加盟国国民の民意の反映は国連の民主化の重要な柱である。
第3に、テロや貧困、地球環境問題など多様な脅威に対する機能強化である。形骸化している経済社会理事会に代えて「経済安保理」を設置する構想は以前からあるが、「人間の安全保障」の実現に向けて一層の国連の役割が期待される。
国連改革は、単なる組織改革の問題にとどまるものではない。それは、21世紀の世界秩序をどう構築するかという問題に他ならない。その行方は、国連が「どうなるか」ではなく、「どうするか」という加盟国と私たちの意思にかかっているのである。(創価大学教授)