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(2001年12月11日付)
「腸が世界を支配する」と言うのは昆虫学者のファーブルだが、食事が人間の基本行動なのは、古今東西、間違いない。ところが『サンデー毎日』(12月9日号)の「あなたの娘は大丈夫?」では、一部女子高生の間で“食べる”形態に異変が起きていると伝え、30のパターンを取り上げている。
共通するのは朝食抜き、ダイエット、コンビニなどのジャンクフードで、「米が臭くて食べられない」「コーラ毎日2リットル」「三食ケーキ」etc、まさかと思わせるケースばかりだ。
食卓を囲む団欒の温かな食事の伝統は失われ、同誌の表現では「偏食、奇食、崩食、死食」などおぞましい状況となっている。しかも「食べるより寝ていたい」の“怠惰病”にまで発展しているという。
富田寛日本大学名誉教授は「まず味覚障害にはじまり、細胞の新陳代謝が鈍化して、視力低下、脱毛……」と厳しく批判する。
さらに同誌12月16日号によると、英国でも青少年の食生活の貧困化が蔓延している。サッチャー首相下の予算削減で国の学校給食制度は廃止され、ロンドン市内の中高校でも昼飯は「チーン」で食べる栄養のないファストフードが一般的、英紙『インデペンデント』は、「子供や若者の20%は野菜や果物をまったく食べない」と指摘する。
市場原理導入で経済の「英国病」は克服されたものの、この食事状態は青少年の肉体を蝕み、将来の国力低下に懸念を強めるのだ。
日本といいイギリスといい、先進国の若者のこうした「食事ハザード(危機)」の要因はなにか。家庭の崩壊や生命力の衰弱化によるのか。軽視できぬ問題だろう。同誌の取材範囲を広げた続報を期待したい。
(山本栄一・ジャーナリスト)