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(2001年11月27日付)
止めようもない経済悪化、失業増加、山積する不良債権、さらに同時テロショックも加わって、小泉首相の“構造改革”へのプロセスはどうなるか。『ニューズウイーク・日本版』(11月21日号)の「小泉が奇跡を起こすとしたら」では、痛みを伴わない改革という贅沢は許されず、“(改革を)進めても地獄、停滞させても地獄”と、日本ののっぴきならない状況を分析している。
「この二十年間、日本は思い切った変化を避ける口実を設けては、改革を先延ばしにしてきた」という指摘は耳が痛かろう。そのツケがここで一気に噴き出したことになる。といって本年度の世界経済成長率は前年の4.7%から2.6%に急落する予想で、日本が輸出を増やす余地もない。その中で「小泉は本気で改革を望むのか、たんに改革者のふりをしているのか」…米経済界はまだその回答すら掴めないでいるようだ。
構造改革の描く青写真はいろいろあるが、予測されるのは最悪の図式だとみる。米サクス証券の試算では、不良債権処理による日本の金融機関の損失は48兆円、失業は今より3%以上も増え、個人消費、企業投資の抑制は加速する。株価は下がって銀行の自己資本は減り、何行かが破綻、救済のため公的資金が導入され財政赤字はさらに広がる…ゾッとするような話ではないか。
「新しい秩序を作り出すほど困難なことはない」と16世紀の思想家・マキャベリはいうが、自民党内の昨今の動きが示すように、既存の秩序には支持者が多くても、改変には少ない。改革には程度とタイミングも重要で、中途半端では不安と悲観感が残り、性急では不況を激化させて国民の支持を失う。さてどうなる?
同誌の見方はわれわれの懸念を代弁するものだろう。
(山本栄一・ジャーナリスト)