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週刊誌クリティーク

連載コラム
「週刊誌クリティーク」

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“第3次大戦必至論”は疑問 取材、調査資料蓄積の差は歴然

(2001年9月25日付)

 アメリカにおける同時多発テロの波紋は日増しに高まりをみせ、9月下旬号の週刊誌も残らずこの事件報道に全力を集中した。だが突然の大事件だけに、これまでの各誌のテロに対する取材、調査資料の蓄積の差は歴然とし、『ニューズ・ウイーク(日本版)』は別格としても『週刊朝日』など新聞社系の充実ぶりが目立っている。

 記事の組み立ては、いずれも凄惨な現場、被害者たちが遭遇した地獄絵図、犯人の黒幕・ビンラディン氏、米政府の対応、新しい戦争突入…などの項目が並ぶが、第3次世界大戦がもはや回避できぬような論調には、冷静な報道姿勢が求められよう。

 「『報復』へのシナリオは見えたか」(ニューズ・ウイーク)では、米国民の「いかなる犠牲を払ってもテロ拠点攻撃を」という71%の世論を背景に、空爆や特殊部隊投入など4つの軍事手段をあげる。同時にアフガンでの作戦が、新しいベトナム戦争になる懸念も警告、「やみくもに敵を刺激せず、かれらをゆっくり自由陣営に引き込む外交的圧力」(国防総省筋)という第5の選択肢の模索も捨てていない。

 『AERA』の「危機の時こそコミュニケーションが必要。別のテログループを通じてでも対話のルートを開くことだ、対話を続ければ解決に向かう」という岩島久夫アレン国際短大学長の見識には注目したい。暴力と報復の連鎖を断ち切る対策は、迂遠ではあっても対話しかないだろう。

 そして「テロの根底にあるのは貧富の怨念の対立」(劇作家・山崎正和氏)の見方をとれば、アメリカが支出をきめた戦費400億ドル(4兆6000億円)の百分の一でも、これまでにアラブの貧困層のために使われていたら…と思われてならないのだ。

(山本栄一・ジャーナリスト)