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(2001年7月10日付)
暗い運命に翻弄された“中国残留孤児”を思うと胸が痛む。
長い労苦の末、ようやく辿り着いた祖国・日本、しかし『週刊朝日』(7月9日号)の「どうなる老後保障」は、“雀の涙”ほどの年金に、多くの孤児が「明日の生活への希望がない」と苦悩する姿を伝えている。
現在、永住帰国した孤児は約2400人、平均年齢は60歳になる。その大半は80年代半ば以降に帰国した人たちだ。家族を引き連れての帰国後、努力して、日本語を覚え、就職はしたものの、たちまち定年。このご時世では次の職場も難しい。
就労期間は短く、厚生年金もせいぜい3万から5万円。これに96年から施行された「中国残留邦人等支援法」の特例国民年金、月額2万2千円を加えても、とても生活できる金額ではない。「日本に帰らなければよかった」…そんな悲鳴を上げる者も少なくないのだ。
だが厚生労働省は「年金などで自活できなければ生活保護を」の方針を崩していない。生活保護を受けるには預貯金を使い果たし、さらに特例年金も収入とみなされ天引きされる。「国策の犠牲者のわれわれに生活保護の押しつけとは」と反発の声もある。
孤児たちの団体「扶桑同心会」などでは6月下旬、「老後の生活を保障する援護年金支給の法制化を」と衆参両院の厚生労働委員会に請願書を提出したが、審議未了の形で先送りとなった。こうした老いた孤児たちの叫びに耳を傾け、ハンセン病の場合と同様、坂口厚労相の英断に期待したい。
(山本栄一・ジャーナリスト)