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(2001年5月22日付)
脱ダム宣言など大胆な言動で注目されている田中康夫・長野県知事が今度は「脱・記者クラブ宣言」、マスメディアを巻き込んでの施策は、大きな波紋を呼ぶことになろう。
『週刊文春』(5月24日号)によると、知事宣言はかなりハイトーンなもので、数十年もの歴史を持つ県庁内の新聞、テレビなど特定の記者クラブを撒廃し、全メディアや県民に開放した“情報センター”に変革しようというのである。
明治初期、新聞の興隆期に、権力側の一方的な言論規制や抑圧と闘うため、記者たちが東京・日比谷公園に集まり、団結して対抗しようと発足させたのが「記者クラブ」だった。
今や官庁などニュースソースに出入りする取材者の親睦機関に変容、クラブ構成員による取材源独占や閉鎖性、排他性などかねて批判を浴びていた。また、ニュースソースとの癒着も避けられず、取材姿勢も鈍化して“発表ジャーナリズム”の根源ともなった。
クラブ維持のための諸費用はすべてが取材源側の負担で、長野県庁の場合、3つのクラブの総経費は年間1500万円になるという。報道機関の中立性からも、こうした持たれ合いが公正逸脱の謗りを招く。知事宣言が“正論”なのはいうまでもないが、全国に同様のクラブが800以上もある。長野県が先鞭をつけた“勇断”の成り行きとメディア側の反攻を凝視したい。
(山本栄一・ジャーナリスト)