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週刊誌クリティーク

連載コラム
「週刊誌クリティーク」

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「日本はストーカー天国」とニューズウィーク誌が警鐘

(2000年12月26日付)


 二十世紀の終幕を迎え、日本はいまどんな国に変貌しつつあるのか。ニューズウィ ーク(日本版)』(十二月二十七日号)の在日外国人によるコラム「日本はストーカ ー天国」は、世界の先進国の中で、日本は異常なほど“危機意識”が希薄と警告、興 味ある分析を加えている。

 筆者は金融マンのピーター・タスカ氏だが、この夏のある夜、何百通もの手紙を送 りつけ無言電話を繰り返したストーカーの女性に、自宅の居間にまで侵入され、警察 の逮捕劇を引き起こした。ところが精神鑑定で責任能力なし、病院では治療の必要な しの判断が下り、自由になった彼女は当然のように、堂々とストーカー行為を再開し たというのである。

 ロンドンに住む彼の友人もかつて同じケースに悩んだが、その犯人は現在も服役中 という。タスカ氏がここで問題視するのは「他の先進国と日本の違いはなにか」とい う点である。

 急激な近代化は、他の先進国では治安の悪化、犯罪や失業の増加、社会風俗の頽廃 (たいはい)……など多くの「負の現象」をもたらした。ところが日本ばかりはその ラチ外に置かれ、比較的、安穏な「特殊な国」とされてきた。

 しかしバブルが弾けた後、この神話は全面的に崩れ、国内総生産の伸び率は先進国 で最低、財政赤字、失業率は世界でも高位、離婚率、自殺率もヨーロッパ並み、少年 犯罪や学校、家庭崩壊もすさまじい勢いで増加し、先進国としての「普通の国」に変 質したというのである。この「普通の国」は「普通でない人々」をたくさん抱えてい る。かつて犯罪者は社会の“アウトサイダー”だったが、いまや動機も目的もなく凶 悪な行為に走るストーカー、変質者、暴力少年らが共存する恐怖の密林に変容したと 同氏は指摘する。

 日本のシステムは、社会のこうした変化に適応できず、法律基盤すら過去の遺物か ら脱却していない。闇(やみ)の部分を抱えたまま、日本は新世紀に突入していく。

 (山本栄一・ジャーナリスト)