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(2000年9月12日付)
二年後に実施される公立小・中・高校の新学習指導要領では、いま以上の「ゆとり 教育」が打ち出される。
“分数もできない大学生”を生むほど学力低下をもたらした現行の「不勉強教育」 に、拍車をかけてよいのか…「ゆとり教育に異議あり」と『YW(Yomiuri Weekly)』(九月十日号)が厳しく論評した。
同誌は「目指せ! IQ200神童」、「赤門改革…いま開かれる狭き門」と七、 八月にも相次いで“エリート教育”を巡る問題と積極的に取り組み、示唆に富んだテ ーマを提示している。
ミスター国際金融と呼ばれた前・大蔵省財務官、榊原英資氏(現・慶応大学教授) は同記事で「学校は勉強の場だが、“ゆとり教育”という知識軽規の風潮は、生徒を 怠惰なぬるま湯につからせ、将来、国際競争下では敗者になる」と主唱するが、文部 省の方針で学習時間の短縮はますます進み、新要領ではさらに三〇%もの学習内容が 削減される。
同誌によると批判の声は全国的に広がり、西村和雄・京大教授らは『新指導要領の 中止を求める国民会議』を発足、「アホ学生を作るな」とすでに二千人の識者が同調 の署名をしているといわれる。
こうした“凡庸教育”と酷評される制度への反発か、一部では天才児を育成する聖 徳学園(武蔵野市)などの英才教育も注目されている。同誌の「目指せ!…」ではI Q(知能指数)神話はいぜん根強く、幼年期からのIQ訓練によって数値はめきめき 向上、また胎教の一環としても、おなかの赤ちゃんに言葉や、図形などを教えると、 誕生後の子供のIQが上がるとされている。
むろん「大脳が情報をストックできない未成長の段階で、知識を教え込んでも効果 は疑問」(教育学者・濱野恵一氏)の反論もあるが。落ちこぼれ防止の均一化か、I T時代を迎え傑出した英才の育成か、教育という国家百年の計はいま岐路に立つ。
(山本栄一・ジャーナリスト)