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週刊誌クリティーク

連載コラム
「週刊誌クリティーク」

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共産党系病院を『週刊朝日』が批判

(2000年7月25日付)


 “与党には辛く、野党には甘く”を標榜(ひょうぼう)する朝日新聞系列だが、こ ればかりは黙視できなかったのか。『週刊朝日』(七月二十一日号)は「衆院選で落 選していた院内感染病院の前院長」の記事を取り上げた。

 大阪府堺市の耳原総合病院でセラチア菌の感染老人患者が多発、七人が死亡した (他にも八人が罹患)という重大な医療事故である。セラチア菌は腸内細菌の一種 で、体力の落ちた高齢者に感染し敗血症などを引き起こす。抗生物質など各種の薬剤 にも抵抗性があり、注射針やカテーテルなど医療器具の汚染が原因とみられている。

 ここまでなら数多く前例のある失態だが、同誌によると、同院は共産党系の全日本 民主医療機関連合会の傘下にあり、前院長で現小児科部長は先の衆院選に大阪十七区 から同党候補者として出た人物だった。

 立候補も自由とはいえ、問題は、選挙運動期間と重なったため、すでに五月から確 認されていた集団発生の事実を隠蔽(いんぺい)して適切な処置をとらず、しかも七 十人の医師、五百人の職員は業務もそっちのけで、選挙運動に忙殺されていたと指摘 される点である。

 堺市市議の一人も同誌で発言しているが、「病院というより選挙対策本部の雰囲気 だった」ようである。連日、千数百人の外来患者、三百五十人の入院者に投票を依頼 し、不在者投票まで強要、静かであるべき院内では同党候補者たちが大声で選挙演 説、さらには選挙資金のカンパまで患者に求めていたという野放図ぶりだった。

 一方で、院内では次々にセラチア菌感染者が増加しているにもかかわらず、実態を 伏せて外部に漏れないようにし、選挙が終わった七月に入ってようやく公表したので ある。

 老患者の一人は「衆院選に響くために公表を遅らせたのだ」と断言するが、病人の 生命よりも票集めを優先させる同党の体質を見事に露呈した医療ミスではなかった か。

 (山本栄一・ジャーナリスト)