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週刊誌クリティーク

連載コラム
「週刊誌クリティーク」

【9】


公務員倫理法の施行に際し“接待文化”にメス入れた『YW』

(2000年5月9日付)


 『週刊読売』が四月二十三日号から変貌し、誌名も『YW(Yomiuri Weekly)』となった。 “真面目だがどこかヤボったいPTAのおばさん”などとい われていた『週刊読売』のイメージは、都会的なスマートさとビジュアルな情報誌に 一新、外見にふさわしく内容の充実を期待したい。

 その「酒禁止倫理法で接待文化は変わるか」(四月三十日号)の記事は関心を持た れるだろう。四月一日、国家公務員倫理法が施行された。利害関係者からの供応やゴ ルフ接待などは無論のこと、OB会での割り勘や香典、餞別(せんべつ)さえも禁止 されるという厳しさで、違反の場合は減給、戒告処分を受ける。

 頻発した役人のスキャンダル根絶が目的なのはいうまでもないが、霞ヶ関界隈(か いわい)にはかなりの波紋が広がっているようだ。記事によると「長らく自浄作用を 失い規制もやむをえない」という容認派が大勢を占めるが、反面、「これからは民間 情報が掴(つか)みにくくなる」「官僚性悪説は不愉快だ」などという不満も根強く 漂っているという。

 経費削減に敏感な民間企業側は新法には同調的で、大手ゼネコンではすでに内部規 制を作成したところも多い。外資系企業は「日本の企業と行政のもたれ合い体質を法 によって律し、後進国的な現状が国際的水準に引き上げられる」と歓迎している。

 “倫理先進国”アメリカでは、公務員倫理は憲法で定められているほか、各州レベ ルでさらに詳細に規定され、これまで三十回以上も改正強化されていると同誌は伝え る。アメリカは違反には容赦なく、「民間の情報が…」などのタワ言は許されない。

 公務員、公僕は、もともと公衆に奉仕する者という名誉ある存在なのだ。綱紀粛正 には新法の適正な運用が必要だが、その前に「自らのために計(はか)らわず」(広 田弘毅)という公務員の気概と道義心の再確立を求めたい。(山本栄一・ジャーナリスト)