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連載コラム
「週刊誌ウォッチ・ドッグ」

週刊誌ウォッチ・ドッグ

【37】



なぜ長銀救済にこだわるのか

2誌が自民のウラ事情を詳述

(1998年9月26日付)



 金融再生法案をめぐる論議は、与野党の党首会談で合意をみたはずだが、肝心の長銀問題は不透明のままだ。政府・自民党は長銀救済のための税金投入を、完全にあきらめているわけではないからだ。なぜそれほど政府・自民党は、長銀救済にこだわるのか。

 その理由については、経済専門誌『エコノミスト』の「政府が『破綻(はたん)』を避ける本当の理由と野党のこだわり」という記事が詳しい。まず長銀が破綻すれば、連動して長銀関連ノンバンクが破綻してしまう。

 しかも、関連ノンバンクには、農協系金融機関が巨額の融資を行っており、大きな影響が出てくる。政府・自民党は、それを恐れているというのだ。農協は自民党を支える大きな組織だ。とりわけ農林族にとっては、政治生命にかかわる重大問題だということになる。

 もう一つは、長銀関連ノンバンクの融資先には、さまざまな不透明な借り手が存在しており、長銀が破綻すれば、それらを白日のもとにさらすことになる。すなわち、関連ノンバンクから自民党議員へのヤミ献金や情実融資などが頻繁に行われており、それらを明るみに出したくないというのが、政府・自民党の本音だということになろう。

 あわせて、『サンデー毎日』の「宮沢蔵相が長銀救済に固執する“ウラの理由”」という記事を読むと、長銀をめぐる自民党のウラ事情がいっそうはっきりする。

 もともと長銀は、故・池田勇人元首相が蔵相時代に設立させた銀行だ。以来、長銀は「政治家バンク」と呼ばれ、自民党とは切っても切れない関係を維持してきた。とりわけ、宮沢蔵相は、池田元首相(宏池会)の流れをくむ派閥の領袖(りょうしゅう)なのだから、長銀救済に動くのは当然だということになる。

 ここまで説明されて、はじめて長銀をめぐる与野党の攻防の意味がはっきりしてくる。こういう記事をみると、週刊誌もまんざらではないように思える。

(玉木明・評論家)