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連載コラム
「週刊誌ウォッチ・ドッグ」

週刊誌ウォッチ・ドッグ

【25】



サッカーW杯日本代表の惨敗

選手叩きからは2002年始まらぬ

(1998年7月4日付)



 サッカー・W杯では日本は惨敗、まざまざと“世界の壁”を見せつけられた。日本だけでなく、アジアから出場した四チームは、すべて一次リーグで敗退、決勝に出場できなかった。とりわけ、韓国チームは四回連続出場していながら、いまだに一勝もできないでいる。ここでもアジアは世界の枠の外で、停滞する地域を象徴しているかのようだ。

 週刊誌はこぞって惨敗した日本チームにきびしい批判を浴びせているが、とくに批判の矢面に立たされたのが、一点も取れなかった城彰二選手である。『フライデー』は、シュートをはずして照れ笑いしている城の写真を載せ、「フランスでの城には残念ながら笑顔以外見るべきものは何もなかった……」と皮肉たっぷりに書いている。また、『週刊読売』は、元日本代表のラモス選手の次のような手きびしい批判を紹介している。

 「ミスして笑っている姿なんてみたくない。全日本で、もう城はみたくない。もうちょっと体はって、自分の仕事やってほしい。タレントごっこやってるんじゃないんだよ」

 もっとも、ラモス選手はテレビ中継の解説のなかでも、「W杯は国と国との戦い、戦争だよ」といっていたから、その意識の薄い日本の選手たちにいらだちを感じたとしても当然だろう。が、異論が残るのも、そこのところだ。むしろ、ここは逆に考えてみるべきなのではないか。

 日本の選手に「国と国との戦い」だという意識が薄かったから負けたというよりも、その「戦争」を無化するだけの意識と技量に欠けていたからこそ勝てなかったと考えたほうがいいということだ。

 そう考えないと、戦後五十年、戦争をしてこなかった日本の唯一のとりえがなくなってしまうような気がする。次のW杯にはガムを噛み、笑ってプレーしながらも、せめて世界の強豪と〈〇―〇〉の試合の一つくらいは、見せてほしいと思う。

(玉木明・評論家)