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連載コラム
「米国メディア時評」

米国メディア時評

【12】



大物記者が次々にインターネット・メディアに移る理由

(1999年6月19日付)



 二十一世紀に向けてメディアはどう変わっていくのか。そんな疑問を解くカギを黙示す るような出来事が今、アメリカで起こっている。テレビの大物ジャーナリストやキャスタ ーがインターネット・メディアに転職するケースが相次いでいるのだ。

 その一人は日本でもお馴染(なじ)みのCNNのピーター・アーネット記者。イラクの クウェート侵攻で始まった湾岸戦争の際、世界に先駆けてバグダッドから生々しい現地ル ポを送っていたベテラン戦争報道記者だ。十八年勤めたCNNの上層部とごたごたがあっ てさる四月、辞任するや、五月にはインターネット国際報道で最近めきめき伸びている「 ForeignTV.com」に国際報道担当責任者として入社。世界の指導者たちとの インタビューを手がけるほか、同社の海外支局拡充を助ける。

 一方、ここ十五年、CNNビジネス・ニュース局の看板キャスターだったルウ・ダブズ 氏も五月に退社。七月に開局する「Space.com」というインターネット・メディ アに参加、同インターネット局を「二十一世紀には世界最大のメディアにする」と抱負を 語っている。

 インターネット・メディアとはなにか。試みに「ForeignTV.com」を画面 で開いてみると、ニュースはすべてビデオ映像で分野も国際ニュース、ファッション、芸 術、文化、旅行、スポーツとまさにテレビのそれと同じ。二十四時間切れ目なく送られて くる。視聴者は見たいときに見れる。これが未来のメディアなのか。アーネット記者いわ く。

 「私がAP通信からCNNに移った時、同僚にケーブルテレビになにが出来るかと馬鹿 にされたもんだ。今度はCNNから馬鹿にされている。インターネットになにが出来るか と、ね」

(高濱賛・在米ジャーナリスト)