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連載コラム
「米国メディア時評」

米国メディア時評

【8】



コーヒー店チェーンが雑誌発行する動機く

(1999年4月17日付)



 マクドナルドと並んで今や「米国の象徴」にまでなってきたコーヒーハウス・フランチャイズのスターバックス・コーヒー社(本社シアトル市)が雑誌発刊に踏み切った。

 「緑の人魚のロゴ」でお馴染(なじ)みのスターバックスは全米二千軒の店舗を持つほか、海外ではイギリス、ニュージーランドはじめ日本、中国、台湾にも進出。東京都内、神奈川などを中心に四十八軒がある。三月下旬にはスルガ銀行東京支店内にコーヒーショップを出店させて話題を呼んでいるようだ。

 同社がタイム誌と提携して六月に発刊する雑誌は『ジョー』。サブタイトルは「人生は楽しい。話し合いましょう」。

 シュルツ同社会長はその動機について言う。

 「コーヒーハウスはつねに人々の会話、地域社会、文化の中心となってきました。コーヒーを飲みながら人生を語る。その伝統をそのまま活字にしようじゃないか、というわけです」

 編集長にはタイム誌の腕っこきの編集者を据えて、書評、映画、芸術、旅行などについての記事やエッセーを満載するとか。第一号は八十四竚嘯ト三レで四十万部刷る。

 新刊雑誌の最大の問題は販売網と広告。スターバックスの強みは全米に広がる店舗。ここをいわば販売拠点にするほか、提携関係を結んでその店頭にコーヒーショップを出店している大手書店にも置かせてもらう。広告主には「しゃれた店舗とコーヒーによって絞り込まれた中流の顧客を狙った」大手自動車メーカー、ゼネラル・モーターズが早くも名乗りを挙げている。

 流通業との相乗効果で読者を狙った新しい型の雑誌の登場である。

(高濱賛・在米ジャーナリスト)