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連載コラム
「米国メディア時評」

米国メディア時評

【7】



「読者代表」を社内に新設して信頼度の回復めざすく

(1999年4月3日付)



 「読者代表」(Readers’ Representative)といった聞き慣れないポストを新聞社内に設置する動きが出始めている。一連の大統領スキャンダル報道の行き過ぎや誤報・盗作・贋(がん)作といった報道が相次ぎ、読者の信頼を著しく損なっている。信頼を回復するためにも読者からの批判や反論に謙虚に耳を傾ける。そのための強力な窓口を設けるというわけだ。

 名実ともに社内の実力者を「読者代表」に据(す)えたのはロサンゼルス・タイムズだ。三月十八日付で「読者代表」局を新設し、その責任者に女性副社長で編集副主幹のナラダ・ザチノ氏(51)を任命した。同氏の就任の弁。

 「本紙の記者たちがどのような取材をし、分析し、報道・編集するかを読者に知らせる。記事にかかわっている市民たちの主張に耳を傾けることは元より、もし事実に反する記事が掲載されたという確たる証拠が出てきた場合は直ちに訂正し、そうしたことが二度と起きないためにも読者と一緒に事実関係の徹底調査を進める。新聞のアカウンタビリティー(説明する義務)の確立を目指したい」

 これまでにも新聞社には「読者相談室」とか「社内オンブズマン」などと銘打った部署はあるにはあった。が、従来のものと違っているのは、あくまでも読者の視点に立って記事を精査する点と、そのポストに編集の最高責任者と対等の人物を充てている点だ。

 一方、ワシントン・ポストは、コロンビア大学ジャーナリズム大学院で教べんをとってきた元ニューヨーク・タイムズ記者、E・R・シップ氏(43)を編集部門とは独立した「記事監視役」に充てている。成否はともかくとして、ともに速報主義万能のメディアの中での新聞の自浄努力といえる。

(高濱賛・在米ジャーナリスト)