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(2002年8月13日付)
8月26日から9月4日にかけて南ア共和国のヨハネスブルクで「持続可能な開発に関する世界サミット」が開かれる。
人権とは、人々が幸せに人間らしく生きていけるための前提であるが、各国でどのように人々が人間らしく生きているかという状態を数字・指数で表そうという試みが、国連開発計画(UNDP)によってなされ「人間開発報告書」によって人間開発指数HDIとして公表されている。
今年も7月24日に公表された。それは人間の潜在的能力を、その社会がどのように伸ばし育て花開かせているかを指数で表そうというもので、平均寿命、経済的条件、教育普及度などが、判定要素になっている。
今年の発表を見てみると、2000年が基準になっているが日本は平均寿命81歳。世界一で80歳以上なのは日本だけである。一人あたりのGDPは2万6755ドルで11位、教育指数は10位であり、総合的に、人間開発指数の順位は、一昨年、昨年と同様に9位であった。国連加盟国は189カ国で、その他スイス等を加えると地球上の国は190余になるが、その中で9位というのは、恵まれた状態と言ってよいだろう。
しかし、「日本は人権が守られている社会でしょうか」という世論調査に、61・6%、特に女性の66・3%もが「そう思わない」と答えた(2000年東京都調査)と聞くと、改めて人権問題の難しさを感じさせられる。
3月15日に閣議決定された国の「人権教育啓発に関する基本計画」によると2015年には国民の4分の1が高齢者になるのだが、「貴方は老後に不安を持ちますか」という世論調査に85%の人が不安だと答え、特に東京では94%、大阪でも90%の人が不安だと答えている。
現在は幸せだ、しかし、将来の世代も幸せを享受できるのだろうか。20世紀から現在にかけて、人類はあまりにも「現在」の繁栄を追い求めて地球の資源を浪費し、自然環境を荒廃させてきはしなかっただろうか。
五つの分野、水(Water)、エネルギー(Energy)、健康(Health)、農業(Agriculture)、生物多様性(Biodiversity)、頭文字WEHABに焦点を絞って地球環境を保護の問題が今回のサミットでは検討される。
オゾン層には南極大陸の二倍もの穴があいて有害な紫外線が降り注ぎ、ダイオキシンなどの有害物質が人体を蝕み、森林は減少して砂漠化が進行し、京都議定書の批准とは裏腹に炭酸ガスの増加によって地球の温暖化が進み、太平洋の小国ツバルでは水没のため国民の外国移住さえ目睫の問題になっている、と伝えられる。
「環境」と「開発」、「エコロジー」と「エコノミー」の対立ではなく、智恵と努力によって、両者の総合的発展の道が拓かれねばなるまい。人間がより良く、将来も幸せに生きていけるため1992年リオデジャネイロで開催された「地球サミット」の方針を確認強化し、現実的手段を模索、実現していくステップとなることを、今回のヨハネスブルク・サミットに期待したい。
(人権教育啓発推進センター理事長、明治大学名誉教授)