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連載「ニュースの眼」
ニュースの眼

北朝鮮の核実験宣言

日本は不拡散のイニシアチブを

(2006年10月17日付)

 今月9日の北朝鮮による核実験実施の発表を受けて、国連安保理は15日未明(日本時間)、北朝鮮制裁決議を全会一致で採択した。

 核や大量破壊兵器関連物資、ぜいたく品を含む禁輸措置、大量破壊兵器計画にからむ個人や団体の海外金融資産の凍結など、国連憲章第7章41条に基づく経済・外交制裁が中心だが、必要に応じて、北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査(臨検を含む)も実施されることになった。

 決議に先立ち、日本政府は、北朝鮮船舶の入港禁止といった独自の追加制裁をいち早く決めている。日本の強い危機感を世界に示したことは、かつてない外交スタンスとして評価できよう。ただ、米国による臨検実施は、武力衝突の危険も孕むだけに、周辺事態法を適用すべきか否かをはじめ、慎重に対応しなければならない。

 北朝鮮の核開発が決して許されない以上、「圧力」強化は当然の措置にちがいない。しかしながら、その目的は、北朝鮮の6カ国協議復帰および核・ミサイル放棄であることも確認しておくべきだろう。「対話と圧力」という外交戦術をいかに使いこなすか――それが、核不拡散体制構築の試金石となるからである。

 先週末に開催された日本国際政治学会・研究大会の分科会(「大量破壊兵器の不拡散体制と国際秩序」)で、日本国際問題研究所の秋山信将氏は、米国の協調的脅威削減(CTR)計画に触れながら、「最近の動向として、2国間協力から米主導、米ロ協調の新しい核管理体制が始まりつつある」と言及した。

 その文脈でいえば、日本外交は、北朝鮮の核問題に際し、国際世論や国民感情をくみ取りつつも、北東アジアの平和・安定に向けた多国間安全保障・核管理体制の枠組みを整備することも視野に入れ、そのイニシアチブを掴む好機としていかなければならない。

 今回の外交上の難局は、日本外交の戦略性という観点からも、極めて重大な局面を迎えているといってよいだろう。(光沢昭義記者)