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連載「ニュースの眼」
ニュースの眼

アフガン大統領が来日講演

平和定着へ「関心」と「支援」継続を

(2006年7月25日付)

 来日したアフガニスタンのカルザイ大統領が今月7日、東京の国連大学で公開講演を行った。

 ユーモアを交えながら、穏やかな口調で講演した大統領は、医療環境の大幅な向上や、女性のめざましい社会進出の模様など、復興が進む同国の状況を説明し、日本の支援に感謝した。

 一方で「今も20万人の子どもたちが学校に通えずにいる。せっかく建設・修復された学校が焼かれたり、教師が襲われたりする事件も起きている」と述べ、「一体、誰がこんなことをしているのか。アフガン人ではなく、国外からやってきたテロリストたちだ」と語気を強めた。

 アフガンでは、南部を中心に旧タリバン政権の残存勢力によるテロや戦闘が激しさを増している。大統領は「隣国パキスタンとの国境地帯では、人口6万人に対し、わずか45人の警官しかいない」と治安態勢が不十分であることを指摘。その上で、国際社会の関心の低下も影響しているとの懸念を示し、「もう一度、私たちに注目してほしい」と支援継続を訴えた。

 アフガン復興へのカギは何といっても治安の安定に尽きる。その点では、日本などが主導してきた6万人を超える元兵士の武装解除・社会復帰プログラムが6月末に完了するなど、一定の成果を挙げたといえよう。だが、その対象外だったおよそ1800グループ、約12万5000人にものぼる非合法武装集団の解体は、まだ緒に就いたばかりだ。

 元兵士たちが安定した職に就けるよう、経済の回復と雇用対策も急務であり、麻薬密造や政治腐敗の一掃も喫緊の課題だ。復興と平和定着への道のりは、まだ遠い。

 戦火が広がる中東など激動する世界情勢の中にあって、アフガン問題は半ば「過去」になりつつある。しかし、かつて国際社会から忘れ去られたとき、アフガンはテロの温床と化したのだ。

 「テレビカメラがいなくなった時、世界はアフガニスタンを忘れてはならない」――5年前、本欄に記した復興支援関係者の言葉を、いま一度かみしめたい。(落合克志記者)