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(2006年7月11日付)
北朝鮮のミサイル発射から1週間が過ぎた。テポドン2号を含む計7発の発射に、日本国内は騒然となり、国際社会も激しく揺り動かされた。
日本政府は、貨客船・万景峰号の半年間入港禁止など、緊急措置を講じるとともに、国連安保理に非難決議案を提出。対北朝鮮制裁にあたって、国際社会の連帯を呼びかけた。当然の対応といってよい。
北朝鮮の不合理な行動は、これまでも再三にわたって続けられてきた。1998年のテポドン1号発射、最近も核開発疑惑が話題に上った。その都度、さまざまな憶測が飛び交う中、マスコミ各社の議論が混乱に陥ることも少なくなかった。
国際政治アナリストの小川和久氏は今月4日、創価学会青年平和会議の主催した講演会で、次のように語った。「北朝鮮問題では、科学的・客観的な分析に欠けた議論も多い。北朝鮮はむしろ、日本に強大な抑止力をもたらしている日米同盟に恐怖しているほどなのだから、日本が振り回される必要はない」と。
つまり、北朝鮮問題を論じるにあたって、ファクト(事実)が軽視されがちなのである。北東アジアの平和と安全を脅かす国家と対峙する以上、軸となる外交スタンスが要求される一方で、この論点について、メディアが世論を十分に喚起できたか否か、心許なさが残る。
またミサイル発射後、小川氏は本紙のインタビューに応え、「日本は今後、海上封鎖の可能性も意思表示しなければならない。それが、経済制裁を効果あらしめるための最終シナリオだ。人道物資以外の援助が入らないようにするのだから、当然、中韓ロの協力も必要となる」とも指摘した。
北朝鮮の暴発阻止と6カ国協議への復帰を外交目標に据える――軍事上のシビリアンコントロールを機能させるためには、日米同盟という政治システムを生かしつつ、国際社会の連携を図るという「外交上の針路」が、国家と国民に共有されなければなるまい。
その意味から、安易な感情論に振り回されない、冷静な外交論議・報道が今まさに問われているといえよう。外交報道もまた、重大な局面に立たされている。
(光沢昭義記者)