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(2006年4月11日付)
北朝鮮の核開発をめぐる6カ国協議が中断して、約5カ月になる。北朝鮮の協議への早期復帰が望まれるものの、その目途は立っていない。6カ国の代表が出席している国際会議(現在、東京で開催中)でも、北朝鮮代表の動向に注目が集まっている。
北朝鮮が協議の場に戻り、6カ国協議を成功に導くためにも、日本として「核計画放棄へのロードマップ(行程表)」を一刻も早く提示することが重要ではないか。北朝鮮からすれば、核計画は絶好の外交カードであり、加えて、米国への不信感も強いゆえ、無条件の核計画放棄を受け入れる可能性は極めて低いと容易に予測できる。
この点について、国際政策学の専門家・濱田和子氏の研究(「北朝鮮核計画の廃棄・検証構想:北朝鮮核放棄に向けた段階的取り組み」)は、外交上の戦略的視点を十分に踏まえる内容で、とても興味深い。
先月28日、都内で開かれた研究報告会(東京財団主催)の席上、濱田氏は「最優先で行わなければならないことは、北朝鮮の核物質の備蓄が今以上に増えるのを防ぐことである」と指摘。その上で、核計画の全面放棄の前段階として、段階的な非核化プロセス――つまり、北朝鮮が核計画の暫定的凍結を実施し、その期間中に、査察・検証に対する北朝鮮の理解を助けるよう働きかけるとともに、北朝鮮の段階的な情報公開によって信頼醸成を図るべきだ、と提案する。
暫定的凍結には当然、批判もあろう。米朝枠組み合意(1994年)は、北朝鮮に騙される結果に終わった。政治的リスクが高いだけに、落としどころを凍結措置にするとしても、米国の納得できる「条件」を提示しようとする点で、この案は傾聴に値しよう。
6カ国協議に、急速な進展はおそらく見込めまい。大切なのは、着実な歩みを進めることである。日本政府に必要なのは、交渉を優位に進めるための「外交戦略」にちがいない。
(光沢昭義記者)