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(2006年1月31日付)
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所は昨年来、「難民支援の現場から」と題する報告会を開催している。東京・渋谷の国連大学で23日に行われた第2回報告会には、昨年11月、日本の国会議員として初めてスーダン南部を視察した公明党の谷合正明参院議員が出席、難民支援の現状を克明にリポートした。
約20年にわたって内戦が続いたスーダンでは、周辺7カ国に50万人以上が難民として流出したほか、400万〜500万人ともされる国内避難民が、キャンプなどで不安定な生活を強いられている。
昨年1月に和平合意が結ばれ、難民の帰還も始まった。雨期が始まる今年4月までに7万人の帰還が見込まれているが、全体からみれば、まだほんの一部にすぎない。
谷合氏が訪問した南部の中心都市・ジュバでは、隣国へ通じる道路が開通し、青空市場には物資が増えるなど、活気が戻りつつあるという。一方で、幹線道路の地雷や不発弾の処理が進んでおらず、NGO(非政府組織)のスタッフが武装勢力に襲われる事件なども発生している。谷合氏は「帰還民が定着するためには、生活道路の再建や安全確保、治安の回復などが急務だ」と強調した。
日本政府は既に50億円近くをスーダン支援に拠出している。日本のNGOやJICA(国際協力機構)も精力的に活動を進めており、当日はその代表からの報告もあった。だが、こうした実績はあまり知られておらず、国民の関心も決して高いとはいえない。
責任の一端はメディアにもある。国民の関心事やブームばかりを追いかけるのではなく、真に伝えるべきことを掘り起こし、地道に報じていくことも必要だ。
席上、難民問題の解決とは「パン屋がパンを焼けるようになることだ」との緒方貞子JICA理事長の言葉が紹介されたが、スーダン難民の現状を見ると、決して容易なことではない。しかし、その困難に挑む「現場の人々」の声を伝えることによって、遠く離れた難民問題が身近なものになればと思う。解決への道をひらくエネルギーも、そこから芽吹いていくにちがいない。(落合克志記者)