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連載「ニュースの眼」
ニュースの眼

韓国・台湾ハンセン病訴訟

救済の道を一刻も早く

(2005年11月22日付)

 日本の植民地時代、韓国と台湾でハンセン病療養所に強制隔離された入所者142人が、ハンセン病補償法の適用を求めた2件の訴訟で、東京地裁は10月25日、台湾側原告の請求は認め、韓国側原告の請求は棄却という相反する判決を出した。

 これに対し国側は、台湾訴訟で控訴する一方、サイパンなど旧占領地の元患者も含めた包括的な救済策を検討する考えを示している。

 かつて韓国、台湾のハンセン病療養所では、強制的な断種・堕胎をはじめ、日本と同様の過酷な隔離政策が取られていた。厚生労働省が設置した「ハンセン病問題に関する検証会議」の最終報告書には「その人権侵害に植民地支配下の民族差別感情が加わり、被害の程度は日本国内のそれをはるかに上回る」と記されている。植民地支配と強制隔離――それは人間の尊厳を根こそぎ奪う二重の牢獄だったにちがいない。

 今回の訴訟で争点となった、「韓国や台湾の療養所が補償法の適用対象となる国立療養所とみなされるか」についても、最終報告書は「日本国内の国立療養所と同等に扱われている」と指摘している。補償法の適用対象に加えることは大臣の告示改正で可能だ。

 国内のハンセン病訴訟で、当時、厚労相として控訴断念を決断、元患者の救済に尽力している公明党の坂口力副代表は、本紙に「かつて日本の植民地統治下にあった韓国、台湾の元ハンセン病患者に対する包括的救済の道が検討されている。歓迎したい。日本の元患者と差別のない結論を期待している」とコメントしている。

 問題は時間との戦いだ。弁護団によれば、原告らの平均年齢は81歳を超えており、補償請求後、既に20人以上が死亡、今月初めまでの3カ月だけでも5人が亡くなっているという。「死んでも死にきれない」との原告の叫びには「生きているうちに解決を得たい」という“人間回復”への悲痛な願いが込められている。

 差別なき救済への道を、一刻も早く! そのための決断が今、政治に求められている。(落合克志記者)