【Seikyo Media Page】Copyright (C) 1997-2005 by The Seikyo Shimbun.



連載「ニュースの眼」
ニュースの眼

東京で「新聞週間」記念討論会

ネットと“共存”へ不断の改革を

(2005年10月25日付)

 日本新聞協会の新聞週間(15〜21日)に合わせ、今年もメーン行事である新聞大会(18日、神戸市)のほか、各地で関連行事が催された。

 東京では21日、「記念の集い」として、公開パネルディスカッション「ネット時代を迎えて――情報の伝え方・見分け方」を開催。無料新聞やインターネット新聞が急速に普及している韓国メディアの状況や、「ブログ(日記形式の簡易ホームページ)」に代表される“個人メディア”の台頭など、国内外のIT(情報技術)事情を踏まえつつ、新聞の将来像をめぐって有意義な語らいが繰り広げられた。

 席上、「韓国では、なぜ既存の新聞が、たやすくインターネット新聞に席巻されてしまったのか」との疑問が出されたのを受け、ITジャーナリストの趙章恩氏は「韓国の新聞は、経営母体である財閥の利害優先で報道に偏りがあり、信頼されていなかったから」と分析。

 また、東大大学院の伊藤元重教授が、新聞最大の特質として「信頼できる」点を挙げたのに対し、読売新聞東京本社の弘中喜通メディア戦略局長は、「先のねつ造事件などで、その信頼性を自ら崩しかねないことをしてしまった。これは一新聞社のみならず、新聞業にたずさわる者が深刻に受け止めなければならない」と自戒した。

 一方、新聞の将来について、IT企業・インフォバーンの小林弘人会長は「紙の新聞がネットと共存することは十分可能だが、そのためには構造改革が必要」と強調。趙氏は「マスコミを変える力は“読者”が持っている。間違った情報があれば自分が正していこうとか、もっとこうしてほしいという積極的な姿勢をもつことによって、メディア変革が進んでいくのではないか」と指摘した。

 真実もウソも混ざったまま、大量の情報が乱れ飛ぶネット時代にあっては、ますます信頼性の高いメディアが求められ、デマだらけの媒体は淘汰されていくだろう。ネットとの共存を図りつつ、「信頼されるメディア」として社会に貢献し続けるためにも、新聞は不断の改革を迫られている。(落合克志記者)