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(2005年7月12日付)
ロンドンでの同時爆破テロは、スコットランド・グレンイーグルズで開かれた先進国首脳会議(G8サミット)の焦点を変えた。G8首脳らは、異例となる2度の「テロ対策に関する声明」を採択。テロとの戦いに向けて、その取り組みへの強化が誓われた。
テロによる死者は50人超とも言われ、国際社会の動揺は激しく、今なお静まらない。メディアの多くも、当然のごとくテロ報道に終始した。ただ、サミットでは、テロ対策以外にも、重要な議題が取り扱われたことを忘れてはならないだろう。
サミットに先立ち、議長国・英国の意向で、主要テーマの一つに「アフリカ支援」が掲げられた。貧困、飢餓、エイズ……アフリカの抱える課題は、いずれも深刻である。開幕直前、英エコノミスト誌や米ニューズウィーク誌が、アフリカの発展・経済成長に向けて、その支援のあり方を探るなど、各種メディアでも大々的に報じられた。
なかでも、最も注目を集めたのは、ロック歌手ボブ・ゲルドフ氏の企画したロックコンサート「ライブ8」に違いない。そのイベントは2日、アフリカ支援への関心を高めようとの狙いから、ロンドン、パリ、モスクワなど、世界9カ国・10都市で開催された。
ロンドンのハイドパークでは、ポール・マッカートニー氏、U2ら一流アーティストが、約20万人の聴衆に歌と演奏を披露。日本の千葉・幕張メッセでも、人気バンドのドリームズ・カム・トゥルーほか6組が熱演を繰り広げた。
G8首脳は8日、アフリカへの支援額を、2010年までに250億ドル増やすことで合意。日本も、アフリカ向け政府開発援助(ODA)の倍増を約束するとともに、中小零細企業支援に円借款を供与する方針も示した。この結果について、ゲルドフ氏は「大きな成功だった」と高く評価。U2のボーカリスト・ボノ氏は「これは極貧の終わりではないが、終わりの始まりだ」と強調した。
“貧困克服の戦い”は、今年9月の「国連ミレニアム+5サミット」でも、議題に上ると予想される。サミット報道に際して、よく目にした言葉「メイキング・ポバティー・ヒストリー(貧困を過去のものに)」――支援の道のりは長く険しいかもしれないが、今回のサミットが、その第一歩になることを期待したい。(光沢昭義記者)