【Seikyo Media Page】Copyright (C) 1997-2005 by The Seikyo Shimbun.



連載「ニュースの眼」
ニュースの眼

「報道被害ネット東海」が1周年

“攻めの姿勢”で支援の手を

(2005年4月26日付)

 報道被害者のサポートを目的とする市民グループ「報道被害者支援ネットワーク・東海」(代表=平川宗信・中京大教授)が16日、名古屋市内で設立1周年記念の総会とシンポジウムを開催した。

 総会では、長野県の高校教諭で、1997年に松本サリン事件報道を検証するビデオ番組(東京ビデオフェスティバル大賞受賞)を制作するなど、メディア・リテラシー(情報を読み説く能力)教育にも尽力する林直哉氏が講演に立った。

 林氏は「報道被害者支援が最も必要な時期は、事件発生から3日間」と指摘。報道被害が発生、もしくは発生しそうな事案が起きた場合、被害者からの相談を待つのではなく、「支援者側から能動的にアプローチして『こういう支援ができる』と提示する、“攻めの姿勢”で報道被害を防ぐことが重要だ」と強調した。また、殺到する報道陣に応対し、取材される側の意図を的確に伝える「情報コーディネーター」の育成などを提言した。

 シンポジウムでは参加者との間で活発な議論も。平川代表は「今回の提言や議論を財産として、次の1年を目指し、さらに前進していきたい」と述べ、市民の積極的な活動参加を呼び掛けた。

 同ネットはメールや手紙、ファクスで報道被害者からの相談を受け付けている。この1年間で受理した相談は1件だけだったが、その案件では、被害者と当該メディアの担当者が話し合い、メディア側から「今後はより慎重な報道を心掛ける」との回答を得たという。例え一人でも目の前の報道被害者の力になったという事実は、百万言の議論より貴い。

 「市民の手による報道被害者救済」という画期的な活動を広く知ってほしいと願うとともに、今後、“攻めの姿勢”での支援活動を模索する同ネットのさらなる発展を期待したい。(落合克志記者)

 被害相談の詳細は「報道被害ネット東海」のホームページ

 =http://www.hodohigai-tokai.gr.jp/参照