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連載「ニュースの眼」
ニュースの眼

難民問題学ぶ写真展とワークショップ

現状と課題をまず知ることから

(2005年3月8日付)

 現在、全世界の難民や国内避難民の数は、1700万人に上るという。国際社会の深刻な課題となる一方で、難民問題の解決には、内戦や支援金不足といった要因が、厳しい“現実の壁”となって立ちはだかっている。

 先日、見学したUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)主催の写真展「世界の難民―1950年代から新千年紀へ」は、そうした難民問題の経緯と現状を、丁寧かつ分かりやすく解説したもので、とても興味深かった(今月4日に終了)。

 アフガニスタン、コソボ、スリランカ……。なかでも強く印象に残ったのは、近年、国際的関心も高い「スーダン難民」だ。南北内戦の終焉とは裏腹に、非アラブ系黒人の住むダルフール地方(同国西部)は和平協定に含まれず、民兵による住民襲撃などの新たな戦争も起きている。今なお後を絶たない殺害や暴行、掠奪によって、隣国チャドに逃れた避難民の数は、すでに21万人超とも。アナン国連事務総長までもが「この世の生き地獄」と言明するほど、スーダン難民の暮らしは過酷を極めている。展示パネルの一枚一枚が、夢や希望さえ奪い去る「人道上の危機」を痛々しく物語っていた。

 だが半面、日本における難民問題への理解は決して十分とはいえまい。国内に、難民認定すら与えられない人たちが数多く存在することからも、その事実の一端が垣間見える。

 UNHCRは、今月末にも「教師のための難民ワークショップ〜難民問題をどう教えるか〜」を実施する。難民問題の深刻さは分かるけれど、子どもたちに教える方法が見当たらない――学校教師やNGO(非政府組織)のスタッフらの、そうした声に応えるためだ。

 野中聖子氏(UNHCR日本事務所)は「日本の子どもたちには、難民のことを知った上で、友人になってほしい。隣人としての意識が高まれば、難民への支援・権利の拡充、ひいては難民受け入れに対する日本社会の変化にもつながるだろうから」と、一連の企画の意義を述べる。

 その意味でも、何よりまず「知ること」から始めたい。一つ一つの小さな積み重ねがあってこそ、難民問題の現状と課題への正しい認識も、一人ひとりの深い自覚や責任ある行動も、きっと呼び覚まされるはずである。(光沢昭義記者)

 【ワークショップ・問い合わせ先】UNHCR東京事務所=電話03(3499)2310