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(2005年1月25日付)
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に難民と認定されながら、日本政府からは認定を拒否されたトルコ国籍のクルド人、アフメット・カザンキランさんが18日、長男とともにトルコへ強制送還された。これに対し、UNHCRが「前例のない送還」であり「国際難民法上で禁止されている『ルフールマン(迫害を受ける危険性のある領域に人を送り返すこと)』の行為にあたる」とのコメントを発表するなど、懸念の声が上がっている。
退去強制処分の取り消しを求めた裁判では、カザンキランさん側が2審で逆転敗訴しているため、法務省は「法的に問題ない」との立場をとっているようだ。だが、この訴訟は最高裁に上告中で、最終確定はしていない。UNHCRが第三国への定住を模索していたことも考えれば、突然の強制送還には疑問を感じる。
今回の措置を受けて、公明党は20日、難民問題対策プロジェクトチーム(PT)の会合を開き、UNHCRや法務省などと意見交換を行った。
同PT事務局長の遠山清彦参院議員によれば、法務省に対し、党側は「アフメットさんの妻子5人は日本に残され、家族がばらばらにされるなど、人道的な配慮にも欠ける」と指摘。残された5人は収容・送還せず、UNHCRと対応を十分協議するよう強く申し入れた。同省もこれに前向きな姿勢を示し、24日には5人の仮放免期間の1カ月延長を認めた。当面の収容は免れたが、今後も残された家族の処遇と送還された2人の安否からは目が離せない。
遠山氏は「UNHCRと日本の難民認定が食い違っているケースが、他に24ほどあると聞いている。こうした難民については、より人道的な扱いを求めたい」と強調。さらに「例えば強制送還までに一定の期間を設け、その間に第三国での定住を進めるといった、手続きのルール化も必要だ」との考えを示した。
人種や政治的意見ゆえに不当な迫害を受けた人、日本という国に望みを託し、必死に生きる道を探している人を、どう遇するか――難民問題は、私たちの人権意識を映す鏡でもある。(落合克志記者)