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連載「ニュースの眼」
ニュースの眼

人報連が第20回シンポジウム

「報道被害者の声」を原点に

(2004年11月23日付)

 メディアによる人権侵害の防止を目的とする「人権と報道・連絡会」のシンポジウムが20日、都内で開かれた。「警察の犯罪・メディアの現在」をテーマに開催された今回のシンポには、本欄(10月26日付)で取り上げた、長野県警による「遺族犯人扱い」の被害者女性もパネリストとして出席した。

 彼女は「取り調べが終わると、“きょうは携帯電話の使用も自由だったし、警察から暴力的なことも言われなかった”という趣旨の警察側が作った文章を書かされ、署名捺印しなければ帰してもらえなかった」などの体験を紹介。「取り調べは、まさに密室の行為だと痛感した。泣き寝入りしている人もいるかもしれない。黙っていてはいけないと思い、私なりの言葉で訴えてきた」と強調した。

 また今年5月、微罪で逮捕された上、「アルカイダ関係者」などと虚偽の報道をされた、日本在住のバングラデシュ人男性も登壇。警察のリークともいわれるこの情報は、米国のCNNまでが取り上げ、衝撃的な“ニュース”として世界に広まってしまった。

 事業は壊滅状態に。ショックを受けた両親は母国で病に倒れた。だが、この男性が「偽造プリペイドカード販売で稼ぎ、10億円の貯金がある」というデマ報道がいまだに信じられているため、身の危険が高いという理由で故郷に帰れない状態が続いている。

 「私が逮捕されたとき、家の前に多くのメディアが詰め掛けて、ウソを流した。アルカイダと関係ないとわかって釈放されたとき、なぜ報じないのですか?」「警察とメディアは、人の人生を壊すという点でアルカイダと同じ」と訴える言葉には、深い憤りと悲しみが込められていた。

 1985年の人報連発足以来、シンポジウムも20回を数える。だが、「まず報道被害者の声に耳を傾ける」という姿勢は変わらない。この姿勢こそ、被害根絶に向けてメディアが常に立ち返るべき原点だということを、改めて心に刻みたい。(落合克志記者)