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(2004年4月13日付)
1917年の創設以来、米ジャーナリズム界の優れた報道・評論活動を顕彰してきたピュリツァー賞――。今回で88度目を迎える同賞が今月5日、ニューヨークのコロンビア大学で発表された。
本年度は、ロサンゼルス・タイムズ紙が国内報道やニュース報道、社説など、5部門で受賞に輝いた。ニューヨーク・タイムズ紙が、9・11テロの報道で獲得した7部門(2002年)に次ぐ、史上2番目の受賞数である。
昨年秋に起きたカリフォルニア州の大規模な山火事の速報や米小売業最大手ウォルマートの経営戦略の分析など、ロサンゼルス・タイムズの受賞記事は、社会性や深みという点でも、高い評価を受けたようだ。ニューヨーク・タイムズの屋台骨が捏造事件や盗作疑惑で揺れる中、優秀な記者を集め、ジョン・キャロル編集主幹を中心に着実に力をつけてきたロサンゼルス・タイムズなればこそ、快挙を成し遂げ得たとする声も多いという。
一方で、この1年にわたって、国際社会の最大の焦点だったイラク報道では、国際報道部門(ワシントン・ポスト紙)と報道写真部門(ダラス・モーニング・ニューズ紙)のわずか2部門にとどまる結果となった。
この点について、米パシフィック・リサーチ・インスティチュートの高濱賛所長は、「現在進行形のテーマなので、評価の仕方は難しい」としながらも、「今回のピュリツァー賞を見ていると、センセーショナルな“9・11テロ報道”からの反省を感じる。リビアの暴動やベトナム戦争など、多岐にわたって審査員の目が注がれている」と指摘する。
確かに、米報道は今、落ち着きを取り戻しており、過熱気味なテロ報道から揺り戻しの時期にあるといってよい。米学術界でも、近年の報道への検証・分析が始まっている。その意味からいえば、アメリカの民主主義らしさが垣間見える、今回のピュリツァー賞だったともいえるだろう。(光沢昭義記者)