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連載「ニュースの眼」
ニュースの眼

NHK衛星第1『北から来た少女』を観て

韓国入りした脱北者難民の苦闘

(2003年11月11日付)

 韓国に亡命した未成年脱北者が今、生活習慣や教育環境の違いから社会に馴染めず、苦しい境遇に置かれている。

 NHK衛星第1は3日、韓国社会にとけ込もうと奮闘する脱北者たちを描いたテレビ・ドキュメンタリー『北から来た少女〜韓国・脱北者の日々〜』を放映。亡命者と、受け入れる側の苦悩ぶりが伝わってくる興味深い内容となった。

 番組では、脱北者の共同生活場<タリ(「架け橋」の意)の家>に住む少女イ・ヘランさんの日常に密着。彼女は中国に脱出後、母親と離れ、単身韓国入りを果たした。北朝鮮への偏見や学校教育の遅れ、言葉の壁と戦いながら、懸命に生き抜く姿が健気に映る一方、脱北者問題の課題も浮き彫りとなっていて、考えさせられる点が多かった。

 学校入学を許可されても、さまざまな理由から、不登校になったり問題を起こしたりする脱北者が増えているという。1500人の脱北者数の内、未成年者は200人に達するが(今年予想)、彼らを待ちかまえる現実はことのほか厳しいようだ。

 番組の構成を担当したジャーナリストの石丸次郎氏は「脱北者が大量に増えたため、南北の住民同士が初めて直に出会う機会を得た。韓国から見れば、南北統一に向けた“予行演習”。融和への第一歩としなければならない」と指摘。さらに「脱北難民は東アジア全体の問題。日本もまたアジアの大国として、人やカネの負担も含め積極的に関与すべきではないか」と強調する。

 核疑惑や拉致に隠れがちな脱北者問題――だが、韓国のみならず、米国や中国も今や見過ごせない状況となってきた。朝鮮半島の安定を図る意味からも、国際社会は包括的な政策課題として適切な対応策を講ずるよう迫られている。(光沢昭義記者)