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(2003年10月15日付)
犯罪被害者の支援活動を展開する全国被害者支援ネットワーク(山上皓会長)は、10月3日を「犯罪被害者支援の日」と定め、同日、都内で制定記念の中央大会を開いた。大会には、14の被害者支援団体も共同参画。うち7団体の代表が辛い体験を通し、犯罪被害者・家族の置かれた厳しい現状を訴えた。
2001年6月に、少年犯罪で高校1年生の息子を亡くした母親の叫びには、特に胸が締め付けられた。被害者は「けんかは絶対しない」と言って、ほとんど無抵抗のまま、いわれなき一方的な暴行で命を奪われた。だが、マスコミは加害者の言い分や警察発表を鵜呑みにして、「女性関係が原因のけんか」などと、事実に反し、被害者の名誉と人格を著しく傷つける報道を行ったのだ。
加害者が警官の子どもだったこともあり、警察からは冷たくあしらわれ、恫喝まがいの言葉も浴びせられたという。しかし、息子の名誉を回復するため、被害者の両親は警察とテレビ局・新聞社10社を何日もかけて訪問。あるテレビ局は「われわれマスコミは、警察の発表を鵜呑みにして報道してはいけない。独自の調査に基づいて報道するべきだ」と回答したという。
「本当にうれしかった。でも、息子の人格は誤解されたまま社会を独り歩きして、私たちにはどうすることもできません」と訴える母の涙は、報道に携わる者として、決して忘れることはないだろう。
大会では、犯罪被害者の生活支援拡充や刑事手続きへの参加推進、2次被害の防止などに加え、被害者支援を国や地方自治体の責務と定める「犯罪被害者基本法」の早期制定を求める要望書も採択された。
私たちは、犯罪のない社会を目指すとともに、傷ついた被害者が自ら声を上げなくても、生きていくためのサポートを当然の権利として受けられる「人に優しい社会」づくりをリードするメディアでありたい。(落合克志記者)