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連載「ニュースの眼」
ニュースの眼

平和と国際協力の列島シンポ

国民の参加意識向上に地方紙が寄与

(2003年9月9日付)

 たった1本の注射が受けられないために、失われていくたくさんの命がある。たった1秒の間に、サッカー場1つ分の緑が今も失われ続けている――この地球上で起きていながら、ふだん考えずに過ごしてしまいがちな平和と国際協力の問題を見つめ直すシンポジウム「ピース・トーク・マラソン2003―2007in東京」が8月30日、都内で開かれた。国際協力事業団(JICA)などが主催し、3年半かけて47都道府県を縦断する列島シンポの第1弾だ。

 キャスターの草野満代さんと基調対談した歌人の田中章義さんは、「飢餓に苦しむ途上国地域から先進国に食糧が輸出されている」という批判の声を紹介しながら、「貧困などが原因で1歳の誕生日を迎えられない子どもが大勢いる。そのことに私たち日本人も、間接的にだが関係している」と指摘した。映画の撮影でアフガニスタンを訪れた俳優の宍戸開さんは「ともかく対話が大事。日本と外国の違いを知り、それを多くの人に広めるだけでも立派なボランティア活動だ」と語った。

 国際協力への「国民参加」を促すこのシンポの主催者には、全国地方新聞社連合会と各地の加盟新聞社も加わっている。「地方に影響力を持ち、市民参加を呼び掛けられる」などの理由からで、地域メディアの特性を生かす試みだ。

 国内にも、復興途上のイラク、アフガンをはじめとする世界中にも、支援の手を待ち望む人が大勢いる。メディアは、その声なき声を拾い上げ、伝えることができる。一方、広く市民に呼び掛けて、一人ひとりの力を結集することもできる。

 この力をもって、「人々を幸福の方向へ」「世界を平和の方向へ」と向かう潮流をつくることこそ、メディアにとっての国際協力であり、本来、果たすべき最重要の使命ではないだろうか。(落合克志記者)