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連載「ニュースの眼」
ニュースの眼

ユニセフ・バグダッド事務所担当官が報告

「イラクを忘れるな」と復興支援訴え

(2003年8月12日付)

 ブッシュ米大統領がイラクでの戦闘終結を宣言してから100日余り。戦後復興へ課題が山積する中、国連児童基金(ユニセフ)のバグダッド事務所で物資調達担当官を務める竹友有二氏が8日、都内で講演し、現地における復興支援の現状を報告した。

 灼熱のイラクでは戦闘で浄水場や給水施設が破壊されたため、水不足が深刻な問題となっている。ユニセフによれば、下水の混入した水を飲むなどして子どもたちが健康を害し、イラクの子どもの死因上位を占める下痢性疾患は前年比で倍増、バグダッドでは10人中7人が患っているという。

 竹友氏は「国が復興するためには、次の世代を担う子どもたちが健康に育っていくことが必要だ」と力説する。しかし、懸命の努力にもかかわらず、イラクでは子どもの栄養状態が悪い上、戦後の略奪などによって機能マヒに陥った病院も全面復旧には程遠い。浄水施設や学校などの本格的な修復工事に向けた入札の準備も始まっているが、イラクの国家機能が完全に回復しておらず、「復興には、まだ時間がかかるだろう」(竹友氏)という。

 一方、教育面でユニセフは、アフガニスタンでも実施した、子どもたちに学用品を配って登校を促す「バック・トゥ・スクール」キャンペーンを展開。また、実施が危ぶまれていた最終試験(小・中・高校の卒業時に行う全国一斉試験)も、教育省をバックアップして実現し、約550万人の児童・生徒が試験を受けられたことは明るい話題だ。

 北朝鮮の核問題やパレスチナ情勢などが注目を集める今、「イラクに対するメディアの関心、世界の関心が薄れていると感じる」と語る竹友氏。「イラクで苦しんでいる人を支援するために協力してほしい。イラクを忘れないでほしい」という氏の訴えは、私たち報道に携わる者こそが真っ先に受け止めるべきだろう。(落合克志記者)