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連載「ニュースの眼」
ニュースの眼

裁判員制度めぐり活発な討論

予断と偏見生む報道の是正を

(2003年7月29日付)

 司法制度改革の一環として、市民による司法への参加を実現する「裁判員制度」の導入が検討されている。今月25日には、裁判員制度の推進議員連盟が国会内で発足。報道各社でも、制度の是非をめぐる議論が熱を帯び始めている。

 マスコミ報道について考える市民団体「人権と報道・連絡会」でも、今月14日に「裁判員制度と報道」と題する討論会を開催。制度それ自体の善し悪しや「公正な裁判と犯罪報道」にまつわる問題点について、活発な議論が交わされた。

 問題提起に当たった山下幸夫弁護士は、制度の概要を説明。(1)裁判員の選任について、選挙人名簿から無作為に抽出する(2)対象事件は法定刑の重い重大犯罪とする(3)裁判官と裁判員は基本的に対等な権限を有し、評議の上、有罪・無罪の決定及び刑の量定を行う――ことなど、具体的な内容を吟味した。

 さらに、裁判員の要件や人数も含めた今後の検討事項を挙げた上で、「制度が整ったとしても、捜査段階における自白の強要や接見の妨害など、公判前のえん罪づくりを防止しない限り正しく機能しえない」と指摘した。

 議論はその後、裁判員に予断と偏見を与えかねない犯人視報道や裁判員への過熱取材の危険性といった「マスコミ報道のあり方」へと展開。浅野健一・同志社大教授(メディア論)は、報道規制の動きをけん制しつつ、「犯罪報道を根本的に変える最後のチャンスといえる。やはり匿名報道原則やメディア責任制度を確立する以外にない」と結論付けた。

 「市民のための裁判員制度」にむけて、改革すべき点はなお多い。制度の充実とともに、節度ある取材をうながすメディア側の自主ルール作りが急務の課題となっている。(光沢昭義記者)