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連載「ニュースの眼」
ニュースの眼

独立メディア:アジアプレスがシンポジウム

イラク、パレスチナ…大手の取材に問題と

(2003年6月24日付)

 「対話」と「圧力」の狭間で揺れる対北朝鮮政策、和平への道を阻むイスラエル・パレスチナの根深い対立など、アジア情勢が今、国際社会の中心的課題となる中、日本の報道機関はいったい何を伝えてきたのか――。

 独立系ジャーナリスト・グループ「アジアプレス・インターナショナル」は17日、「これでいいのか? 日本のジャーナリズム」と題するシンポジウムを都内で開催。所属のジャーナリストが現地取材での経験を通じて、日本メディアの問題点を提起した。

 イラク戦争をバグダッドで取材した綿井健陽氏は、日本のマスメディアが「バグダッドからすべて撤退して、イラク周辺国からの『2次情報』や米国のテレビ映像を中心に伝えていた」と指摘。従軍側のエンベッド(埋め込み)取材についても、強者の目線にしか立たない「戦車背後からのライブ中継」と批判するとともに、「攻撃を受ける市民の立場に立って伝える必要がある」と強調した。

 また、1988年からパレスチナを取材し続けてきた古居みずえ氏は、“大手メディアの記者が日帰り取材を余儀なくされ、道路封鎖や外出禁止といった日常生活の苦しみを伝えきれていない”と分析。「本社から危険なところへ行かないよう注意され、事実に迫る取材になかなか踏み込めない」とも述べ、メディア内部に構造的要因がはらまれている点も指摘した。

 このほか、シンポジウムでは、北朝鮮への取材経験が豊富な石丸次郎氏と有事法制に詳しい吉田敏浩氏が意見を述べた。

 昨今の報道は、現地取材という「ジャーナリズムの基本」に反し、ずさんな取材に基づくケースがあまりに多いのではなかろうか。一部民放テレビや雑誌の北朝鮮報道の中には目に余る上滑りがある。それだけに、現場と事実にこだわってきた「一線」のジャーナリストたちによるこの日の発言は、十分な説得力と警句に満ちていた。

 (光沢昭義記者)