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(2003年3月11日付)
1981年に起きた「ロス銃撃事件」裁判で最高裁は、被告の三浦和義氏を無罪とした2審判決を支持、検察側の上告を棄却した。異議申し立てがなければ、きょう無罪が確定する。
事件発生から21年余。上告棄却を受けて会見した三浦氏は、「無罪を確信していたので、長いといえば長いが、あっという間に過ぎた」と振り返る一方、マスメディアについて「警察発表をうのみにし、裏付けのない報道があまりに多い。過去の記事を読み直し、自戒してもらいたい」と厳しく批判した。
『週刊文春』の連載記事に端を発したこの事件では、犯人視報道に加え、プライバシーを侵害する報道が横行。三浦氏はマスコミを相手に500件以上の名誉棄損訴訟を起こし、判決の出た約200件のうち、およそ8割に勝訴したという。
以前、この欄で触れた通り、通信社の記事を掲載した本紙でも、犯人視という点で不適切な報道があった。あらためて再発防止を誓いたい。
三浦氏を支援してきた同志社大学の浅野健一教授(英ウェストミンスター大客員研究員)は、「当初、多くの報道関係者や文化人が、三浦氏を犯人だと決め付けた。一人ひとりがどう責任を取るのか明らかにするとともに、報道各社は、過ちの原因を検証すべきだ」と指摘。
さらに、「メディアは十分な裏付けもなく、罪を犯したなどと報じてはならない。『週刊新潮』の一連の創価学会バッシング記事も同類だ。こうした『文春・新潮型』の人権侵害報道を生む構造は変わっておらず、過ちを繰り返す可能性が高い」と警告する。
「根拠の検討が十分でないまま、総じて嫌疑を掛ける側に回った」とメディアを断罪した2審判決は「報道への有罪判決」でもある。再発防止の具体策を講じるまでその“刑期”は終わらない。メディア全体が、人権と報道の在り方を根本から問い直すべきだ。(落合克志記者)