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(2002年9月10日付)
日本ユニセフ協会大使として、カンボジアで子どもの人身売買やエイズ問題の現状を視察したタレントのアグネス・チャンさんが、先月26日、都内で帰国報告を行った。
内戦の傷は癒えたものの、アグネスさんによれば、いまだに多くの人々が“想像できないほどの貧困”に苦しんでいるという。貧困家庭の子どもは、孤児やストリートチルドレンとともに、人身売買業者の格好の標的だ。「借金の肩代わりに」と脅されたり、「裕福な外国人夫婦の養子に」などとだまされたりして、わが子を売る親も少なくない。
男児は主に肉体労働、女児は花売りや物乞いのほか、売春などの性的労働を強要される。NGO(非政府組織)などの調査によると、カンボジアの性的労働者は半分以上が人身売買されており、3分の1は18歳未満。1998年の同国保健省の報告では4割以上がHIV(エイズウイルス)感染者だ。
薬物入りジュースを飲まされタイへ売られたある少女は、キャンデーや花売りをさせられ、ノルマに達しなければ食事も与えられず、全身をムチで打たれ続けたという。
ユニセフの支援活動を紹介した後、アグネスさんは「一番の原因は大人の欲望。子どもたちが教育を受け、きちんと生活できるよう支援していくことは私たちの責任でもある」と強調。問題解決に向けて「メディアはより多く報道してほしい」と期待を寄せた。
日本が参加した国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)発足から10年。メディアの視点は新たな紛争地域へと移り、関心が薄れゆく裏で、いまだ多くの子どもたちが日本に支援の手を求め続けている。道は遠くても、まず「知ること」「知らせること」から解決への一歩を踏み出したい。(落合克志記者)