【Seikyo Media Page】Copyright (C) 1997-2002 by The Seikyo Shimbun.



連載「ニュースの眼」
ニュースの眼

『FOCUS』が1回限定の無様な復刊

反人権雑誌の哀れな醜態さらす

(2002年8月27日付)

 写真週刊誌『FOCUS』(新潮社発行)が、1回限定ながらも“復活”を遂げた。部数減により、昨年8月に休刊となって以来、約1年ぶりのこと。ところが、長い沈黙を破った割りには、それほど話題とならなかった。紙面を繰ってみても、鋭い切り口のない平板な記事ばかり。

 例えば<政界妖覧>と題した特集。田中真紀子、加藤紘一、辻元清美や鈴木宗男など、今や政界から敗れ去った者たちを追いかけては、さらし者にする。結局は、旧来の手法の踏襲にすぎず、もちろん何ら社会的意味も持ちえない。

 ならば一体、何のための発売なのか。

 この点について、『週刊新潮』元編集部次長ながら、新潮社の体質を批判してきたジャーナリスト・亀井淳氏の指摘は、鋭く説得力がある。

 「<『FOCUS』のネガ庫に10万本の“爆弾”が保管されている>との記事がある。元編集長の山本伊吾氏を筆頭に、旧スタッフの大半は『週刊新潮』に移ったのだが、実はもっと続けたかった。彼らは“爆弾”をちらつかせることによって、社の内外に、自分たちの力を誇示したかったのではないか」

 復刊号は『週刊新潮』別冊の形式。「とくに社会的影響力があるわけでもなく、もはや“1周忌の法事”のようなもの」と、亀井氏は続ける。

 案の定、<電力会社女性社員の死体が見つかった部屋><酒鬼薔薇聖斗こと“少年A”の住んでいた家>など、のぞき趣味的な現場写真も掲載している。

 スキャンダラスな報道によって、平気で人権を蹂躙し、定見などそっちのけで騒ぎ立てるだけの『FOCUS』。その哀れな末路こそ、反人権雑誌ジャーナリズムの限界に他ならない。こんな体たらくでは、親元・新潮社自体が“出版界の不名誉ブランド”と汚辱にまみれてしまうだろう。(光沢昭義記者)