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連載「ニュースの眼」
ニュースの眼

河野義行さんが長野県公安委員に

警察とマスコミのもたれ合いに改革のメスを

(2002年7月23日付)

 松本サリン事件の被害者で当初、容疑者視された河野義行さんが、今月13日をもって長野県の公安委員に任命された。マスコミの注目度も高い。が、この職種の存在を初めて耳にした人も意外と多いのではないだろうか。

 公安委員会は、各都道府県に設置されている。警察の仕事が公平・中立の立場を保てるように、警察機関を管理・監視する――。3人の委員で構成され、任期は3年。長野県の新委員となった河野さんは「一会社員の目線、市民の目線で、自分の責任を果たしていきたい」と抱負を語る。

 15日、河野さんは刑事部はじめ各部の概要を伝えられた。種々説明を受ける中、警察官にも大きな負担がかかっていると実感した。長野県警は総勢3086人。県民714人あたり1人の割合となる。全国平均(543人あたり1人)と比べても格段に低い。「人数を増やし、せめて全国並みにしたい。警察側が仕事をしやすくなるよう努力していきたい」と決意を新たにした。

 一方で、警察とマスコミのもたれ合い構造には厳しい視線を投げかける。<記者のサツ回り>による警察情報のリークは、地方公務員法上、許されていない。だが実際には、非公式に情報が流されている。報道スクープのネタが、その半面で報道被害の温床となっているのだ。河野さん自身も誤報によって苦しめられた。「厳格にチェックしていきたい」――鋭い改革のメスを、県民も待ち望んでいるにちがいない。

 事件後、サリン中毒のため意識の戻らない妻・澄子さんに、公安委員就任の報告をした。「『がんばんなさいよ』と激励してくれているようだった」という。警察機構の改革と報道被害の根絶に向け、新たなスタートを切った河野さん。今後の活躍を期待したい。