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(2002年6月11日付)
川崎協同病院(川崎市)で1998年に患者が筋弛緩剤を投与され死亡した事件は、病院側の隠ぺい体質が真相解明を大幅に遅らせている。
病院幹部は事件直後から事実を知っていた。昨年10月、職員から再度指摘を受けた後も、主治医を解雇せず依願退職させている。院長らは「糾弾され、信用を失うのが怖かった」「もみ消しととられても仕方がない」と隠ぺいの事実を認めた。
事件から3年半後の今年4月にようやく公表したものの、ある新聞記者によれば「一部メディアが取材に動いたことから、やむなく会見に踏み切った」というのが実情だ。当初は亡くなった患者の性別、真相究明のために設置した委員会の情報すら公開を拒んだ。再発防止のためにすべてを明らかにしていこうという誠意は微塵もない。
同病院は、地元では共産党とのつながりが深いことで有名だが、先月末、川崎市議会が現地調査を行った際も、同病院の管理栄養士だった共産党市議は「今の時点で私たちが行って何がわかるのか」などと及び腰だった。市民の健康・安全を守るため、調査の先頭に立つのが本物の議員ではないか。“身内”をかばって真相究明を遅らせるなら「同じ穴のむじな」だ。
医師でもある坂口力厚生労働相は、この事件に関連して「病院の中は医療を行う側の方が(患者より)優位に立つ。どうしても権力主義的になりがちだ」と指摘している。さらに医療機関特有の「閉鎖性」が医師らの「権力主義」を助長し、隠ぺい体質を悪化させる。
隠ぺいはマスコミ報道によって明らかになるケースも多い。メディアが患者のプライバシーに配慮しつつ、閉鎖的な医療現場の“病巣”にいかにメスを入れ、再発防止につなげていけるか――。後を絶たない「医療過誤」と「隠ぺい」の連鎖を断ち切るカギも、ここにある。 (落合克志記者)