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(2002年6月4日付)
アフガニスタン復興支援国際会議で、“政と官のもたれ合い”が問題視されたのは、今年1月のことだった。外務省は、日本の一部NGO(非政府組織)の会議参加を一時拒否。その最中、鈴木宗男衆院議員に「NGO排除圧力」疑惑が浮上した。マスコミ報道を大いににぎわし、後に、外相更迭問題にまで発展したことも記憶に新しい。
日本の有力NGOであるピースウィンズ・ジャパンの大西健丞統括責任者と、鈴木議員、それに外務官僚――“参加拒否”問題にからむ3者の迫力ある攻防を、日本経済新聞記者・原田勝広氏の著『ドキュメントNGO拒否』(現代人文社)は詳細かつ劇的に描き出しており、注目すべき労作といえる。
本論とは外れるが、メディアのあり方にも、示唆的な視座を提供している。有力族議員の意のままという外務省の実態は、大西氏の“告発”まで覆い隠されてきた。いわば、権力への監視機能を果たせなかったのである。多くのメディアが霞クラブ(外務省記者クラブ)内で、役所側となれ合い、“発表ジャーナリズム”に陥っていたからではないだろうか。
本紙もまた、アフガン復興支援会議への取材を拒否された。その経緯は、1月29日付本欄(http://www.seikyo.org/article165.html)に詳しいが、原田氏の内幕描写を読むにつけ、問題の構造に思い至る。排他的な記者クラブについて、同志社大学の浅野健一教授(メディア論)は、“一度解散するよりほかない”と訴える。
著者の取材と、メディア政治に対する危機感の融合――政官癒着の構造的欠陥をえぐり出した本書は、官庁を取材するメディアの問題点もまた図らずも浮き彫りにした。ジャーナリズムへの警鐘という点でもすぐれた一書である。(光沢昭義記者)