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(2002年5月28日付)
個人情報保護法案が、17日に実質審議入りした。文字通り、「個人にかかわる情報を守るための法案」である。情報化社会が爛熟し、また8月には改正住民基本台帳法が施行されることから、プライバシー保護法制の整備は不可欠といわれている。
だが、その一方、報道機関、出版社、作家やジャーナリストも含め、多くが反対の立場を表明。“国家権力が報道の自由を侵害する危険性をはらんでいる”というのが反対理由だ。近ごろは、廃案を求める共同声明や修正案の提示が、連日のように新聞紙面をにぎわしている。
22日には、市民団体「人権と報道・連絡会」が、「人権と報道・関西の会」や「マスコミと人権を考える東海の会」などとともに、共同アピールを発表した。“廃案”を主張しているが、一方で、メディア側に一般市民への人権侵害を反省・改善していくよう「自己改革」を求めている点が注目に値する。
すなわち、(1)メディア全体を通した統一的倫理綱領を策定する(2)メディア横断的な市民参加のプレスオンブズマン・報道評議会を設立し、倫理綱領の遵守を見守らせる(3)実名報道原則を根本的に見直す――。メディアは、自主的な報道チェック機能を一刻も早く構築しなければなるまい。
また、国会には、十分に時間をかけた法案審議が求められよう。「報道の自由」「表現の自由」といった憲法が保障する基本的人権にかかわる重大事である。民主主義の破壊にもつながりかねないだけに、法案通過を急ぐあまり、拙速に審議を終えてはならない。会期内にこだわることなく、慎重かつ徹底的な議論を積み重ねてもらいたい。
透明性のある国会審議とともに、報道関係者のみならず、広く国民の理解を得たプライバシー保護法の成立が待ち望まれている。
(光沢昭義記者)