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【2】(2006年10月17日付)
観光フェスティバルなど多彩に |
“藍藍的天空白雲里、有只小白船、船上有■<木に果>桂花樹、白兎在遊玩……”――秋の夜空に羊雲の間を行く白い小船のようなお月様、上には桂花(金木犀)の花が咲き誇り、白い兎が戯れる……。
子どもの時にしばしば歌った童謡です。今年は上海で中秋節(旧暦の8月15日、今年は10月6日)を迎えました。中秋節は中国人にとって旧正月である春節に次ぐ大イベントです。この日は家族揃ってお月見をしながら「月餅」という真ん丸い焼き菓子をいただきます。
私は、友人たちと上海師範大学に隣接する桂林公園でお月見を楽しみました。1932年に完成したこの公園は、かつては上海の暗黒街を我が物顔で牛耳っていた黄金栄の別荘でしたが、58年から一般開放され、市民の憩いの場となりました。園内の楼閣、回廊、透かし彫りの美しい窓、築山、橋、池など、素晴らしい景色が随所に見られます。そして、なにより23種類に及ぶ1000株以上の金木犀が植えられ、その彩りと香りを楽しむ名所です。
今年の中秋節は例年より遅いため、ちょうど金木犀の満開を迎えたこの時期に、中秋の名月とお花見を楽しむ園遊会が開かれ、昼夜を問わず多くの人々で賑わっていました。趣のある庭園を気ままに散策しながら、胸いっぱい金木犀の馥郁たる香りを吸い込み、雲の中行く満月を望みながら、童謡の懐かしいメロディーが蘇りました。父母と一緒にお月見した幼少時代の楽しい思い出と共に……。
そして、庭園の茶室では、「月餅」と桂花茶を楽しみます。爽やかな夜風に乗って漂ってくる金木犀の甘い香り、ふわーと口の中に広がる芳しい味わい、至福のひとときでした。今年の中秋節は10月1日の中国建国記念日と続く長い連休となったので、お月見以外にも様々なイベントが催されました。
9月から10月にかけて開催される「上海観光フェスティバル」は中国旅游局が指定した全国41の重要行事のひとつ。そこで上海の民間風俗、文化、スポーツ、グルメ、ショッピングなど様々なことを体験できるのです。フェスティバル開催中には1700年前の三国時代(220〜280年)に建造された中国の重要文化財である徐匯区の龍華塔が50年ぶりに、建国記念日前後の5日間だけ一般公開されました。
また、「上海観光大使」コンテストや、花火祭などもあり、上海の美しい夜景は一層まばゆいイルミネーションに輝いていました。中国では「八月桂花開、花開幸福来――8月(もちろん旧暦)になると金木犀は咲き乱れ、花開けば幸福は訪れてくる」と言われています。秋の上海を訪れるなら、ぜひ一度、この季節の風物詩である秋のお花見を楽しみ、心豊かな時間をお過ごしください。
(ラジオ・パーソナリティー)
はく・せつばい 中国・吉林省出身。上海・復旦大学卒業後、1993年、来日。商社勤務を経て、ラジオ・パーソナリティーに。現在、大阪・FMCO・CO・LOの漢詩教養番組「詩境遊人」を担当。また、カルチャーサロンの講師や、新聞・雑誌コラムの執筆、講演、テレビ出演など、多彩な分野で活躍中。