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(2000年11月21日付)
先週からオランダのハーグで、気候変動枠組み条約の第六回締約国会議(COP 6)が開催されている。それに伴って、こちらの新聞紙上には、関係記事が頻繁に登 場している。しかし、気候変動への最近の注目は、COP6の開催だけが理由ではな い。より具体的な二つの出来事が反映している。
一つは、先月からの英国各地での暴風雨と大洪水。歴史的な降雨や関連する被害が 相次いだ。異常気象は温暖化が原因ではないかと言われている。
もう一つは、以前紹介したガソリン税に対する抗議行動。高いガソリン税のねらい は、自動車の利用を抑制し排ガスを削減することにあり、温暖化をはじめとする環境 問題に配慮したものだった。しかし抗議に妥協する形で、蔵相は来年度のガソリン税 凍結を発表した。
この二つの事例は、温暖化ひいては環境問題全般をめぐる現実を如実に示してはい ないだろうか。すなわち、微妙な自然の生態系は確実に狂い始め、異常現象を引き起 こして人類を苦しませ始めている。にもかかわらず、ほとんどの人は、現在の便利で 快適な生活を棄(す)てようという意思を持っていないというのが現実だ。
技術革新は、このジレンマの解決につながるだろう。だが、それに期待しつつも、 ある程度「足るを知る」心構えも絶対に必要なはずだ。そして、消費者にその行動を 促すためには、国家や産業界にも同様の姿勢が求められる。
ちなみに英国はCOP6で、三年前に京都会議で決めた目標値をはるかに上回る、 二三%の温室効果ガス排出削減(一九九〇年比。二〇〇八〜一二年までの目標)を発 表する予定だ。
(有田晴也・英国ウォーリック大学博士課程在籍)