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(2000年11月7日付)
英国が、政治体制に問題がある国家と外交関係を確立・維持しようとする時、「Engagement(関与)」という単語が必ず登場する。米国が言う「ならず者国家」を変革していくには、「Containment(封じ込め)」で相手を孤立させるよりも、関係を持ち続けたほうが効果的だ、という外交方針の表現である。
先月十九日に発表された、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)との国交樹立の決定 も、同じ考えに基づいている。クック外相は「南北の関係発展を促すと同時に、我々 の懸念を追求するためには、外交関係を持つことがより良い手段だ」と語っている。
決定の背景には、北朝鮮からの申し出とともに、韓国の金大中大統領から欧米各国 への要請があったという。急速な動きを疑問視する声に対し、大統領は、ちょうど決 定発表の日に載ったインタビューで、「彼(金正日総書記)は欧米が真剣に相手とみ なすべき人物である」と訴えている(タイムズ紙、十月十九日)。
英国のメディアは、関与政策を全体的に支持している。最も熱烈なのはインディペ ンデント紙だ。「対話によって心の変革が期待できる。人であれ国であれ、相手と対 話を拒むのは子供じみた行為である」と主張する(十月二十日)。ガーディアン紙 も、対話の可能性を指摘し、「封じ込め政策は滅びつつある」と書いた(同日)。
クリントン米大統領が北朝鮮訪問を予定し、他の欧州諸国も外交関係を始める見込 みだ。現実には、関与政策の前途には多くの問題があるだろうと思われる。しかし、 この政策の重要な点は、まさに政策それ自体に執着し続けるということであろう。
(有田晴也・英国ウォーリック大学博士課程在籍)