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ロンドンの街角から

連載コラム
「ロンドンの街角から」

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ユーゴ革命後−新大統領が直面する内政・外交の課題

(2000年10月24日付)


 ユーゴスラビアでは、革命の熱狂的な騒ぎが終わり、現実の政治課題への取り組み が始まっている。

 正式に大統領に就任したコシュトゥニツァ氏だが、まだ権力を把握しきれていない ことを自ら認めている。ユーゴスラビア連邦を構成するセルビア、モンテネグロ両共 和国との関係があるからだ。

 共和国レベルの選挙は今回行われていないため、セルビア政府・議会はまだミロシ ェビッチ派が支配している。連邦離れを進めているモンテネグロ政府は、そもそも今 回の選挙をボイコットし、選挙結果を認めていない。現在、モンテネグロ政府との連 邦制や閣僚人事をめぐる交渉は難航しているが、セルビア側とは交渉がまとまり、共 和国議会の選挙を十二月に実施することになった。

 タイムズ紙は、政治の安定化へ向け努力を重ねる大統領を、「すでにステーツマン (経験豊富な指導的政治家)」という見出しで、社説で論じている(十七日)。「騒 然たるセルビア政治の中でほとんど鍛えられていない人間としては、驚くほどの機敏 さと勇気、的確さで大統領は動いている」と。

 大統領にとって、ミロシェビッチ氏の身柄を国連の戦犯法廷に引き渡すかどうか は、今のところ「優先的な問題ではない」。何から手をつけたらいいか分からないほ ど疲へいしている経済の立て直しと、国民の生活条件の向上、特にこの冬をどう乗り 切るかということが大きな問題だ。

 大統領はEU(欧州連合)首脳会議に招待されたが、そこで決まった緊急支援も、 冬の燃料や病院の建設などである。大統領もEU首脳も、この点で判断を誤ってはい ないと思う。

(有田晴也・英国ウォーリック大学博士課程在籍)