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ロンドンの街角から

連載コラム
「ロンドンの街角から」

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ユーゴスラビアの大統領選挙と民衆の力

(2000年10月3日付)


 先月二十四日に行われたユーゴスラビアの大統領選挙が世界の関心を呼んでいる。

 公式発表によると、野党候補コシュトゥニツァ氏がミロシェビッチ大統領を得票数で上回ったが、過半数には達しなかったため、両者による決選投票が行なわれることになった。しかし野党側は、前者の得票は優に五〇%を超えており、発表の数字にはごまかしがあると主張している。

 長年、大統領に悩まされ続けてきた欧米諸国の首脳は、選挙後すぐに、ミロシェビッチ氏のすみやかな退陣を求めた。現在は、ユーゴに最も影響力を持つロシアを中心にした外交的圧力を模索中だ。

 決選投票に持ち込むことで、大統領は時間かせぎをしていると言われている。BBCのインターネットサイトでは、大統領がこれから取る戦術として、野党側への脅迫、分断工作から、軍の出動にいたるまでの六つの可能性を挙げている。

 今のところ野党側は、一回目の選挙で勝利は確定しているとして、決選投票をボイコットする予定だ。しかし、英国の主なメディアは、たとえ大統領側のやり方が汚かったとしても野党側は参加すべきだ、と強く訴えている。民衆の強い支持が野党側にはあるからだ。

 「最も不利な状況でも、民主主義は勝利するという信念を持ち続けろ」(ガーディアン紙)。「数日後、ミロシェビッチ氏が見捨てられ追い出されるのを見るのも不可能ではない」(タイムズ紙)。

 先週、ベオグラードでは、野党の集会に二十万もの民衆が結集した。今週はゼネストも予定されている。民衆の力は今、改革の大きなうねりとなって、権力者の地位を確実に脅かし始めている。

(有田晴也・英国ウォーリック大学博士課程在籍)