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(2000年6月20日付)
オックスブリッジ(オックスフォード、ケンブリッジ両大学)の入学選考をめぐっ て、「エリート主義」論争が再燃した。
事の発端は、ある優秀な女子生徒がオックスフォードのカレッジに入れなかったこ とだ。この問題を取り上げたブラウン蔵相は、彼女が蹴(け)られたのは公立校の生 徒だからであり、裕福で上流の私立校出身者を好むエリート主義がオックスブリッジ にはあると非難した。
これに対し、オックスフォードは猛烈に反論。実は、彼女が志望したのは五人しか 枠がない最難関であり、皆一様に超優秀で、しかも合格者のうち二人は公立校生徒だ った。
しかし話はここから、エリート主義の是非をめぐる論争へと発展。保守系メディア は一斉に擁護した。『スペクテーター』誌いわく「英国をかくも長い間、創造的社会 たらしめているのは、人々の努力の源泉にエリートになりたいという動機があるから だ」と。
ところで、私立の生徒数は国全体でわずか七%だが、オックスブリッジの学部生の 半数近くが私立出身。さらに、トップ十三大学の約四割が同じく私立出身である。こ れが意味するものは私立校の優遇ではなく、質の高い教育が私立校で提供されている ということだ。根本問題は、エリート大学の選考よりも中等教育における格差の方に ある。
それでもエリート主義論争が続いたのはなぜか。擁護する側にも非難する側にも、 奥底にそれぞれの階級意識があるからだろう。ブラウン氏が一事例をわざわざ取り上 げたのも、伝統的に労働党支持者である階級の人たちを意識してのことで、人気取り のためであると評されている。(有田晴也・英国ウォーリック大学博士課程在籍)