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ロンドンの街角から

連載コラム
「ロンドンの街角から」

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アイルランド共和軍(IRA)の声明−−和平交渉に新展開

(2000年5月16日付)


 行き詰まっていた北アイルランドの和平交渉に、また光がさしこんできた。カトリ ック系過激派アイルランド共和軍(IRA)が、「武器の完全な使用停止」と「武器 庫の定期的な査察の受け入れ」を表明したことによる。

 昨年末、発足した北アイルランド自治政府は、わずか二カ月で停止した。IRAの 武装解除に進展がなかったことが理由だった。しかし、その後も水面下で、英国、ア イルランド両首脳を中心に、粘り強い対話が続けられている。

 IRAの声明直後の各紙を、論説を中心に読んだ。共通して言えることは、これが 歴史的な声明であり、和平への絶好の機会であると認めている点である。『アイリッ シュ・タイムズ』と『ガーディアン』は、IRAにとって声明が持つ意味を特に強調 している。

 すなわち、IRAは武装解除をするとは言っていないが、今まで極秘だった武器の 隠し場所を外部の人間に教えることは大きな譲歩で、武装解除に等しい内容だという こと。さらに各紙とも、プロテスタント側、特に最大勢力のアルスター統一党(UU P)が、積極的な返答を出すことを強く期待している。

 この紛争は三十年に及ぶ。和平交渉も五年以上にわたり続いている。進んでは戻 り、進んでは戻りの連続だ。それでも、少しずつだが着実な進展がある。主要な人物 たちが、反目しあいながらも、対話を手放さなかった結果であろう。

 今後、UUPの支持が得られれば、英国・アイルランド両政府は、二十二日に自治 政府を復活させ、その日が期限だったIRAの最終的な武装解除を、来年六月に延期 する予定である。(有田晴也・英国ウォーリック大学博士課程在籍)